徒労の旅路
夫に、昨日の顛末を話し、スペアキーをなくすと、もう車に乗れなくなる不安を切々と訴えたら、タウンページで合鍵屋さんを検索してくれた。 ここからえらく遠いところにそれはあった。 わざわざ出かけていくのがためらわれるほどの距離だった。 「この近くにも一軒くらい合鍵屋さんがあってもよさそうなもんやのに。ほんまなんもない不便な町やわ。おらこんな村いやだ。の歌詞思い出すわ」 とボヤいていたら。 「まあこのさい仕方ないので、明日行ってきてやるわ」 と、夫がその合鍵屋さんに行ってくれることになった。 で、その当日となった今日。 私が寝坊して起きた時は、夫はすでに出かけた後だった。 私のカバンからスペアキーを持ち出したつもりだったのだろう。 でもね。夫が持ち出してのは、車のスペアキーではなくて 仕事その2職場の鍵だったのだ。 私は、スペアキーを握り締め、しばし呆然となってしまった。 今夜何も知らずに帰宅した彼は、 「はい、これ合鍵作ってきたから。これでひとまず安心やろ」 と、全く無意味な合鍵を私に差し出すことだろう。